痛みを感じる方向に出口がある
あるアニメの中に出てくる好きな台詞だ。
僕は自分のことをよく知らない。好きなものも嫌いなものも、よくわからない。
それは僕が自己と向き合うことをしなかったからだと思う。自分が出来ることを知って、自分が出来ないことを知るのが怖かったのだ。
勝てるゲームにだけ参加してきた。負ければそのゲームはしなくなった。自分が万能だと感じたくて。
僕が万能だったのは、言葉も覚えたての頃までだったのだと思っている。
選択することは他を捨てることだ。僕は捨てたくないから選ばなかった。そのまま大人になって何も得ずに、何にもならずに何かを目指している。
僕はこの深い暗闇を抜けようとしている。痛みを感じながら。
僕は一つを選びながら、何かを捨て続ける。
そして目指す。自分を得るために。
痛みを感じる方向に、出口がある。